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| 誰よりもあなたを |
13.何も感じなくなっても
あの日から、ナオと秋は時々会うようになっていた。 秋と会っても、ナオはただ黙って抱かれるだけ。
特別なことは何も無かった。
ナオはそのうち、何も感じなくなった。
最初の頃は、シュンに対する罪悪感だとか、秋に対する疑問や、微かな怒り…色々あった感情は、全て消え失せた。
ナオの心には…新しいひとつの気持ちが生まれようとしていた。
この日も、秋から連絡があった。
いつもメールのはずなのに、何で今日に限って電話……?
「もしもし?ナオだけど?」 『ナオッ!!デート!デート行くぞ!!』
秋の声には今までに無い輝きがあった。
「デート?何でそんなもん秋と行くの。」
ナオの不機嫌そうな声に、秋の声も暗くなる。
『何で……って……。』 「セフレじゃないの?あたし等。」 『え…?ナ……オ……』
ナオのその言葉に、秋は酷くショックを受けているようだった。
「どうしたの?秋…?」 『あ…いや…実はもう家の前にいるから…出て来いよ…。』
言われて、ナオは窓の外を見る。 確かに秋が車の中で待っていた。
「わかった…少し待っててよ……。」
電話を切って、ナオは出かける準備をした。
NEXT 14.予想以上に最悪
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| 誰よりもあなたを |
12.コノ体が腐り堕ちても
「何があったのか……敢えて聞かない。何があるのかなんて、知りたくもない。 だけど、それであんたが楽になるのなら…好きなだけ、私を抱けばいい。」
低く、冷めた声で、冷めた瞳で言うナオ。 男は声も無く項垂れた。
「私の…コノ体は腐り堕ちてもいいわ……大切なものも、守ってきたものも……もう無いから……。」
結局その後、ホテルに行って、男はナオを抱いた。
ナオがベッドで眠っている間、男は昔を思い出していた。
男が今より少し若い時。 ちょうど、ナオと同じ年頃だった時。 すごく好きな子がいた。 ナオに、似ていた。
姿もそうだったが、仕草や、性格もよく似ていた。
彼女に、名前を呼ばれることが好きだった。
『秋…イヤ…タスケテ…ねぇ…シュウ…助けて……』
彼女は、街でナンパされて知り合った男にレイプされた。
助けを求める電話で彼女の元に行った時には、全てが終わっていた。
彼女は手首を切って死んだ。
最後に彼女が残したメッセージは“シュウタスケテ”だった。
それから、男はずっと自分を責め続けた。
もう戻らない彼女。
失ったものはあまりにも大きかった。
それでも、長い年月をかけて、やっとここまで立ち直ったのだ。
そして、出会ったナオという少女。
ナンパ 彼女 援交 好き レイプ
感情が、想いが秋を混乱させた。 そして、抑えられなくなった、その想いのまま、ナオを抱いた。
今度は、罪悪感が秋を支配する。 これでは、彼女を犯した男と一緒だと。
死のうとも考えた。
でも、ナオのことが頭から離れなかった。
そして、ナオの方からやってきた。 驚きと、戸惑いを隠せなかった。
思い出しているうちに、ナオは起きていた。
「やっぱり…何かあったんだね。」
そう言ってナオは笑った。
秋は知らないうちに涙を流していた。
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| 誰よりもあなたを |
11.最大の後悔
男はナオと出会ったファーストフード店で、ぼんやりと携帯電話を見つめていた。 画面には、ナオの携帯番号が映されている。
「はぁ……」
意思も意図も意味も…何も無い溜息が漏れた。
同じ頃、ナオはそのファーストフード店に向かって歩いていた。
アイツはそこにいる。
そう思えて仕方なかった。
案の定、男はそこにいた。 コーヒーを持って行って、男の前にドカッと座る。
「ナッ…お前……」
男は目を見開いて驚く。 ナオは下を見ながら、呟くように言った。
「別に。あんたの態度が…気になった……から……。」
ナオは黙ってコーヒーを飲む。 時々、男のほうに視線を向ける。 その度、男は申し訳なさそうな顔で、目を逸らす。 コーヒーを飲みながら、ポツリ……とナオは言った。
「彼氏と…別れてきた…。」
男は少しだけ、困った顔をする。
「何故、俺のところに来たんだ…?」
「じゃあ、何であんたは、連絡先を教えたの?」
男の問いに、ナオは間髪いれず問い返す。 それから、薄く笑って、口を開いた。
「一つ目は、あんたの態度が気になったから。二つ目は……」
そこで言葉を切り、男を見据える。 周りの音は、聞こえなくなってゆく。 二人の間に嫌な沈黙が流れた。
「あんた、あたしが寝てた時、何度も謝ってたでしょ?それがね……… どうしても……引っ掛かるんだよね………。」
ナオは冷めた声で言った。
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| 誰よりもあなたを |
10.ただ彼は辛そうに目を閉じる
「もう…別れたいの…」
そう言ったナオの目からは涙が流れていた。
「なんで…?ナオ、いきなりどうした……?」
ナオは下を向いて黙った。
「何かあった…?」
下を向いたまま、首を横に振るナオ。 シュンは重々しく、口を開く。
「ナオ…俺のこと、嫌いになった……?」
ナオは顔を上げ、首を大きく横に振った。 目に溜まった涙が、キラキラと散る。
シュンは、辛そうに目を閉じた。
突然、別れを告げたナオに、何も聞こうとしなかった。
「シュン…大好き…。大好きだよ…ごめんね、シュン……」
ナオは、シュンの最後の優しさに甘えた。
好きだから辛かった。
好きだから言えなかった。
何故、別れを告げたか。
彼は優しすぎる。
私の全てを受け入れてくれる。
好きなのに離れなければいけない。
モウ…キレイナワタシジャナイカラ…
罪悪感と、後悔と、やるせない気持ちがナオに“別れ”を選ばせた。
顔を上げると、シュンも泣いていた。
「どうして…シュンは泣いてくれるの……?」
シュンの目は、いつもナオを安心させた。
「ナオの力になれなかった。俺は近くにいても…ナオを……ナオを………」
その言葉の続きを、聞くことは出来なかった。 自分を責めるシュンを、見ていられなかった。 自分の浅はかな行動が、この結果を招いた。
ナオはシュンの唇に自らのそれを重ね、無理に微笑んで、帰っていった。
残されたシュンは、独り、自分の無力さに泣いた。
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| 誰よりもあなたを |
09.全てを終わらせて
シュンの家の前で深呼吸する。 そして、震える手で、インターホンを押す。
しばらくして、シュンが出てきて、ナオを見ると優しく笑った。
ナオはこの瞬間がたまらなく好きだった。 会う約束をしていなくても、必ず出てくれるシュンが大好きだった。
なのに、
それが今ではすごく苦しい。
「ナオ。どうした?」 シュンはいつもと変わらず、優しく声を掛ける。 また、涙が出そうだった。
それでも、笑顔を作る。
「シュン…話があるんだけど…いいかな…?」
ナオのその笑顔に、不思議そうな顔をしながらも、シュンは家に入れてくれた。
部屋へ行く途中、階段を上りながらシュンの背中に何度も謝った。 心のナカで。
シュン、ごめん。愛してるよ……。
と。
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| 誰よりもあなたを |
08.辿り着いた この底
薄暗い部屋で、ナオは目を覚ました。
「シュン………」
手にしていた写真も、涙で濡れていた。
「シュン……」
名前を呼ぶたびに視界が滲んでゆく。 大好きなシュンの顔は、見えなくなってゆく。
「大好きだよ…シュン……」
ナオは、そっと…写真に頬を寄せる。
「ごめん…ごめんね…シュン…」
罪悪感でいっぱいだった。 自分を信じてくれている、好きでいてくれるシュンを裏切った気分だった。 写真は、頬を伝う涙で、再び濡れた。
「ごめんね…終わりにしよ…?」
涙で濡れた写真の中のシュンに語りかける。
「ごめん…終わらせるから…」
ナオは呟いて、部屋を出た。
シュン…愛してる…
心の中で愛を囁いて。
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| 誰よりもあなたを |
07.この世で一番大切なもの
ナオには彼氏がいた。 優しいナオの彼氏は、ナオに手を出そうとしなかった。
ナオも、彼氏の…シュンのそんなところが好きだった。
他の、顔や身体目当てで近寄って来る男達とは違っていた。 ナオの全てを、笑顔で受け入れてくれた。
そんなシュンが、ナオはこの世で一番大切だった。
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| 誰よりもあなたを |
06.ズタズタの心
結局、ナオは、動けるようになるまで、男とホテルにいた。 思い出すのは、男に抱かれたことばかり。
もう、心も体もズタズタだった。
家に帰ってきたナオは、部屋にこもって、ベッドに伏せて泣いていた。 だが、さっきまでと違うのが、その手に、一枚の写真があることだった。
ナオは、そのまま、泣いて、泣いて、泣き疲れて眠ってしまった。
写真の中のナオと、シュンは、とても楽しそうに笑っていた。
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短いよ〜。次もめっちゃ短いよ〜。 お題によって、波があるよ…落差が激しいんだよ… どうにかなんないかね。
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| 誰よりもあなたを |
05.痛みに泣き濡れた顔 後編
首から上だけを、布団から出して、それでも男に顔を見られぬように。
「身体、痛むか?」
男はそっと、ナオの頭を撫でる。
「ナ…デ…ナンデ…?なんで?なんでっ!?」
ナオは、急に体を起こす。 衣服を身に着けていないのも、忘れている様子だ。 「どうして…そんな風に声…掛けるの…?」 ナオは涙に濡れた瞳で男を睨んで言った。
「嫌いよ…っあんたなんか……!!」
そしてまた、泣き崩れた。 「初めてだったの…ッ…シュン…ごめんね……?」
ナオは、男の顔を見なかった。
男は、ナオの顔を見て後悔した。
「シャワー…使わないのか…?………酷い顔だぞ……?」 その言葉を聞いて、重い体を持ち上げようとしたナオは、目を見開いた。
「え…?なに……?」
体が動かない。 男は、気付いたようにナオを見る。 「あぁ…力、入らないのか。シャワーも浴びれねぇな……。」 立ち上がった男は、ナオを抱き上げる。
「いやっ!!ちょっと、何するのよっ!!」
ナオは男をポカポカ叩く。 その拳にすら、力が入っていない。
「シャワー行くだけだから、安心しろ。」
そう言って、額にキスを落とす。 まるで、子供をあやすように。
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| 誰よりもあなたを |
05.痛みに泣き濡れた顔 前編
ナオは暗い部屋のベッドの上で泣いていた。 シャワーの音と、啜り泣きの音が部屋に満ちている。
ナオの顔は、泣き濡れて痛々しかった。
キュ…と音がして、シャワーの音が止む。 ナオは頭から布団を被った。 なるべく息を潜め、泣く。 扉の開く音がして、足音が近付いてくる。
男はベッドに腰を下ろした。 ギシッとベッドの軋む音がすると、ナオの体がビクッと跳ねた。
「…まだ…泣いてたのか…?」
男の声は、少しだけ柔らかいものになっていた。 それでもナオは、布団から顔も出さなければ、答えもしない。
「はぁ………。」
男は一つ溜息を吐いて、布団を少しだけ捲った。 そして、肩を震わせて泣いているナオを見て、もう一度、溜息を吐いた。
優しく声を掛けられると、錯覚してしまう。 実は…………。
この人は、いい人なんじゃないかと…。 何か理由があったんじゃないかと…。
ナオは、震える自分の肩を抱いた。
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| 誰よりもあなたを |
04.口づけは、血の味
口を塞がれて。 初めてってわけじゃないのに、苦しくて。 シュンの顔がチラついて。 苦しくて。
辛くて。
あ……鉄の味。
「んんっ!!?ぃやっ!!」
口の中に、血の味が広がる。
「何で…!?助けてくれたんじゃないの…?」
ナオは男を突き飛ばした。 男は、口元を押さえて、その場に立ったまま。
無理矢理、唇を奪われたナオは、目に涙を溜めている。
「ハッ…なに、純情ぶってんだよ。どうせ、男共とヤッてんだろ?」
目の前の男の顔は、冷酷で。 足が震えて、逃げることも出来なくて。 あたしの中にいるシュンは、優しく微笑んでいるのに。
ごめん…自分を守れそうにないや…
心の中で、小さく呟いて。
男はナオの体を押し倒す。
敵わないことは、解っている。 もう、逃げることも…
恐怖で支配された自分の身体は、自分のものであっても、言うことを聞かない。
男を相手に、出来る抵抗なんて、高が知れている。
だから、拒絶の言葉を吐いた。
「イヤッ!!ヤメテッ!!」
泣き叫ぶ、ナオの声だけが聞こえた。
NEXT 05.痛みに泣き濡れた顔
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| 誰よりもあなたを |
03.薄暗い世界に堕ちて
ナオは、ホテル街に連れてこられた。
「ちょっと待ってっ!!ねぇっ!!」
男性はナオを黙殺して、ホテル街を進む。 そして、急に足を止め、一軒のホテルに入っていく。
「待って!!お願いっ!!」
ナオが叫んでも、男性は足を止めない。 周りにいる人間も、誰一人、助けてくれなかった。
ホテルの一室に連れ込まれる。 「嫌っ!!出してください!!」 男性は黙ってナオに歩み寄る。 そして、やっと口を開く。
「金が欲しいから、援交なんて…してるんだろう…?」
そこには、さっきまでの男性はいなかった。 冷えて、空ろな目。 抑揚を無くした、低い声。
「違いますっ!!体売ったりなんてっ!!」
男が近寄るたびに、ナオは一歩後退する。 しかし、あっという間に、ベッドに追い詰められる。 恐怖が、ナオの身体を支配する。
「ヤメテ……オネガイ……やめて……」
「金さえ出せば、何でもするんだろう?」
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これが、例の見られたやつです。 …まぁ…なんだ…流石にショックかもしれない… …終わったことはしょうがないよね!!(笑)
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| 誰よりもあなたを |
02.滅びの道 後編
しばらく歩くと、男性は口を開いた。
「ふぅ…焦ったよ。いきなり女の子に腕、組まれるから、逆ナンかなって…」 ナオは腕を組んだまま、男性を見上げる。 「ごめんなさい。ナンパされちゃって…しつこくて…。」 頭を下げるナオ。 「困った時はお互い様だろ?それより、なんで、こんな時間に一人でいたんだ?」
男性の口調は思っていたより砕けたものだった。 しかし、それがナオを安心させた。 初めて会ったはずだが、そういう気がしなかった。
「えっと…実は、友達に援交に誘われて…あ、初めてじゃないし、体売ってるわけじゃないんですけどね。今日は…何か、そういう気に…オヤジ達の相手をする気になれなくて…。」 ナオは恥ずかしそうに頭を掻いた。 男性は黙って聞いていた。
ナオは男性の顔を見上げて言った。
「あの、これからお時間ありますか?さっきのお礼がしたいんですけど…。」 男性は少し驚いたような顔をして、ナオを見下ろした。 目が合って、ナオは視線を外した。 「えっと…迷惑じゃなければ…なんですけど…。」 ナオはチラッと男性を見た。
「…誘ってんのか…?」
小さく、そう聞こえた気がした。
「え……?」
いや、そう思うほど、男性の目は怖かった。
「解った。じゃあ、俺に付き合って。」
男性はそう言って、ナオの腕を引いた。
「えっ!??あっ…待って…。」
NEXT 03.薄暗い世界に堕ちて
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| 誰よりもあなたを |
02.滅びの道 前編
辺りが暗くなってしまっても、ナオは街中を歩いていた。 家に帰る気にもなれず、ファーストフード店に入る。 コーヒーを一つ注文して、席に着く。
しばらくすると、若い男達が声を掛けてくる。
「ねぇ、今、一人?」
ナンパ男を追い返す気力も無いナオは、適当な返事をする。
「今?一人、一人。」 「マジッ!?じゃ、俺等と遊ぼーよ♪」 「無理。金ないし、彼氏待ってるだけだから。」
ナオには、この男達についていったら、どうなるのか解っていた。 今でこそ、二人でいるが、店の外には何人かの男達がいるのだろう。
「いいって、俺等奢るから。ね?いこ?」 「行かない。彼氏待ってるって言ってるじゃん。」 「デート?デートより、絶対楽しいって!」
ナオは呆れてなにも言えなかった。
デートよりも楽しいのは、あんた等だけでしょ…?
彼氏とのデートなんて、勿論嘘だが、男共を消す為に、ナオは店内に目をやった。
すると、一人でいる人の良さそうな男性がいた。
ナオはコーヒーを持って席を立った。
「あ、ちょっとぉ!!」
男達が追ってくる前に、店内で見つけた男性に寄っていき、腕を組む。 「ごめんねっ。お待たせ!!」 男性の眼鏡の下の目が、見開かれる。
『どちら様ですか?』と聞かれる前に目で訴える。
すると男性は何も言わず、にっこりと笑った。 「今来たところ。行こうか。」 ナオは小さく頷いて男性の腕を引っ張って店の外に出た。
NEXT 02.滅びの道 後編
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| 誰よりもあなたを |
01.悲しい不幸を撒き散らした
「ねー、ナオー。」 「ん?どしたん?」 「ナオも行かん?人数足んないんだけどー。」 「なに?あんたら、また合コン?」 「違うよぉ。援交だよ、援交!」
高校二年の夏、初めて友達に誘われて、援交に行った。 そこで会ったオヤジ達は、皆、馬鹿みたいにあたし等に貢いで、あたし等に触れようとした。
ちょっと冷たい態度をとれば、オヤジ達はあたし等に触れることも出来ないまま、帰っていった。
「ね?だから言ったっしょ?援交なんて、適当に愛想振り撒いときゃいいんだって!」 「あんたそればっかじゃん!『ホント〜?』と『そうだね〜』しか言ってないし!」 「マジありえないよねー、あのオヤジ!黙って貢いでりゃいいんだっつうの!」 「ナオ、次も行くっしょ?」
「え…?あ…あぁ…」
ナオは友達の誘いを断り切れず、毎日のように、自分より三十近く年の離れた男に貢がせた。
もともと、目立つ顔立ちだったナオは、他の友達よりも男ウケした。
そんなある日。 寒さも身にしみる十二月。 クリスマスももうすぐ、という頃。 ナオと数人の友達は、今日も援助交際をするために、ある店の前で待っていた。
「ったく…あのオヤジ共遅いんだっつうの。」 「マジ寒ぃんだけど!!ちょっとナオー。あのオヤジに電話してよー。」 「は?何であたし?」
紅茶を飲んで、身体を温めていたナオに、彼女は言う。
「だって、ナオが一番オヤジ共に好かれてんじゃん。」 「そーそー。一人で貢がれまくってるじゃん。」 「それとこれとは、関係ないだろ?」
ナオは彼女達の言葉をシカトする。
「じゃあいいって〜。ウチが電話するし〜。」
そう言って一人の子が電話し始める。 今回の援助交際に乗り気ではなかったナオは、つまらなそうに言った。
「あたし、帰るわ。オヤジ共に貢いでもらう必要ないし。」
友達がナオを振り返り、止める。
「ナオッ!?なに!?急に!!」
だが、ナオは、心なしかカップルの多い人混みに消えていった。
NEXT 02.滅びの道
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| 梅雨空 |
※ いつもの僕じゃないよ!! 今までのキャラのイメージを壊したくない方は、読まないことをオススメしますよ!!
梅雨空
しとしとと雨が降り続き、私の心も曇り空。 大好きなあなたは、今日も女の子に優しくて、私の事なんて、ちっとも見てくれないんだわ。
ちょうど1年前だったかしら。 私が思いを告げたのは。 あなたは何も言わないで、ただ笑っていたわ。 まるで子供をあやす、ピエロのように、ニコニコと。
私は、笑ったあなたしか知らないの。 泣いたあなたも、笑ったあなたも、独り占めしたいと思うのは、欲張りかしら?
ねぇ、一緒にいさせてはくれないの?
私はまだ、あなたの返事を聞いてはいないの。 もう、1年も待っているわ。 そろそろ、返事をくれてもいいでしょう?
「1年待ったの。返事をくれてもいいでしょう?」 怖くて、恐くて堪らないのに、私は聞いたのよ?
ねぇ、何か言って? 私を、視界に入れてくれても、いいでしょう?
お願い、何か言って…。
「俺は、この1年、女の子と仲良くしてきたよ?」 そんなこと知ってるわ。 見てたんだもの、どれだけ辛かったか、あなたは解っているの? 「知ってるわ。でも、好きなの。返事くらい…」 “YES”でも“NO”でも、ちゃんと受け止めるわ。
何か、言って?
「うん…。俺…」
梅雨空が晴れてゆく。 黒くて重たい雲が流れてゆく。
私の心はどうかしら?
「俺も…好きだよ…今まで言えなくてごめん…」
ほら、心が晴れてゆく。
大好きなあなた、これから私をよろしくね?
END
いつもの僕じゃないよっ!? ヤバイね。乙女チックだ……。 自分で書いて気持ち悪い…。
きききききききき、気まぐれだから!! 深い意味は全く無いから!!
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| 紅い空 |
あなたが、この世界から消えてしまってから、もう、何度目の夏でしょう。
カナメさん、俺は今でもカメラを続けているよ。 カナメさんが教えてくれた。 海も、空も、赤く、紅く、染まっているよ。
この間、俺の写真展が開かれました。 その写真展では、俺がこっそり撮っていたカナメさんの写真も、たくさんの人が観ていたよ。
こんな、勝手なことして、怒る? でも、もうしょうがないよね。
ねぇ、カナメさん。 そっちから見える景色も、紅く染まる? 俺は、まだまだこっちの世界で撮るよ。
時々、こうやって、カナメさんに手紙を送るけど、それは許してね。 俺の写真も、見てね。
大好きなカナメさんに、俺の写真を送ります。
カナメさんが、人生を終えてから、長い時間が過ぎた。 俺は、相変わらずカメラを片手に、景色を撮り続けている。
自分の納得できる絵が出来ると、カナメさんに手紙を書いて、写真と一緒に空へ送っている。
今日も、俺の手の中で、写真と紙が、パチパチと音を立て、燃えてゆく。 出来た灰は、空へ上り、いつかあの人に届く。 切ない気持ちで、それを見送るのは、本当に何度目かワカラナイ。
でも、俺は死ぬまで続けるから、だから、カナメさん。
向こうで待っててね。
END
僕の僕らしく無い話、第二だーーん!! なんか、前、『紅い海』書いた時も、言ったけど、僕らしくないね〜。 誰だよ…コレ…みたいなね。
でも、最近は、またこんなの書きたいな〜なんて、思ってたりします☆
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| 紅い海 |
海は青いものだと思っていた。 空も、海も、紅く染まることを、俺は知らなかったんだ。
いつも、いつも、周りに反発して、困らせて、そんな生き方しかしてなかった。 それでも、『あの人』は、僕を見放さないでいてくれた。
「カナメさん!!こんな時間に呼び出すなよっ!!」 「ごめんね。でも、どうしてもあんたに見せたいものがあったんだ。」 「俺に見せたいもの?」
カナメさんは、フリーのカメラマン。 腐った生き方しかしてなかった俺に、カメラを教えてくれた。 カナメさんがレンズを通して教えてくれた世界は、鮮やかで、とても綺麗で、あの時、俺の心を強く打った。
「あんたは、昼の青と、夜の黒しか知らないでしょ?勿体ないわよ、そんなの。」 「昼の青と、夜の黒?」 「空も、海もね?赤く、紅く、染まるのよ?」
そう言って、カナメさんが見せてくれた景色は、今までのどんな景色より綺麗で、僕は呼吸するのさえ忘れた。
「すごいでしょ?あんたは世界を小さく見すぎなのよ。ちゃんと目を開いて、見てみなさい?」 「うん…カナメさん…俺、ちゃんと見るから…生きて…」
カナメさんは、治らない病気だった。 それでも、自分が生きてるうちに、生きた証を、写真を残すんだって、病院を抜け出した。 夜の世界でカナメさんに会った時、あぁ、この人だ…。って思わされた。 カナメさんの目は、強く光っていたから。 俺とは違ったから。
「生きるわよ。あたりまえじゃない。私が死んだら、誰があんたにカメラを教えるの?」 「俺にカメラを教えてくれたのも、これからも教えてくれるのも、カナメさんだけだろ?」 「えぇ。あんたみたいな弟子を持てた私は幸せね。」
でも、カナメさんは若くして生涯を終えた。 俺に、最後までカメラを教えてはくれなかった。 それでも、俺はカメラを続けるよ。 カナメさんの為に。
俺を変えてくれた人だから。俺を救ってくれた人だから。
カナメさん、大好き。
END
えっと…今日は、この話の続編を書こうと思うんで、思い出してもらうために、上げてみました。
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| 変な二人にお題5 |
05.結局二人はどういう関係?
「どういう関係って言われてもねぇ…?」
蓮は今日も、余裕のある態度でパフェをつつく。
「そうだな。この間、話した通りだからな。」
雪樺もコーヒーを飲む。
「だから、それじゃ納得出来ないんですよ…。」
彼女のその言葉を聞いて、蓮の片眉が跳ねる。
「は?あんたたちが、納得しなきゃいけないわけ?」
女の子達は、驚いたように、顔を見合わせる。
流石の雪樺も、驚いて蓮を見る。
普段なら、女の子相手に怒る様な奴ではないのに。
相当、気に障ったらしい。
「蓮、あまり、怒るな。」
一応、止めに入るが、怒った時の蓮には意味が無いだろう。
「煩い。止めないで。だいたいね、この間から、気に食わなかったのよ。」
スプーンを置いて、女の子達に向き直る。
「詮索するのもいいけどね、私達の邪魔するなら、生かしておかないわよ…?」
声に黒さが滲み出ている。
「はぁ……」
雪樺は、蓮といると、溜息を漏らしてばかりだ。
生かしておかないとか言って…殺すのは私だろうが…。
蓮に、彼女達を殺す気は無いと解っていても、心の中で突っ込んでしまう。
「蓮?出よう。」
彼女達が、本気で蓮に怯えているのに気付いた雪樺は、蓮に店を出ようと提案する。
「雪樺…。雪樺が言うなら。」
蓮は先に席を立つ。
雪樺は、蓮が先に行ったことを確かめると、彼女達に忠告する。
「今回は…蓮だったから良かったものの…私だったら、即刻、お前等の首を刎ねただろうな……。」
口調は余裕たっぷりで、黒さを含んでいる。
雪樺が、踵を返して蓮の元へ向かうと、後ろから、すいませんでした!!と声が聞こえてきた。
店を出ると、蓮が待っていた。
「ドS。」
語尾にはハートマークがついていても可笑しくないくらい、顔は楽しそうだ。
「蓮だって、楽しそうだっただろ?」
雪樺が、口の端に笑みを浮かべて聞くと、蓮も楽しそうに笑う。
結局、二人の関係は解明されないまま…。
友達以上、恋人未満。
そんな今の関係が、二人には丁度いいのかもしれない。
END
お疲れ様でした!! 5つのお題に合わせて、変な二人の変な関係を書いてみましたが… どうだったんでしょうか…。自分でも ヤベェなこれ… とか思いながら書いてたり… 後半は、思いついたのをそのまま打っただけなので、(下書きなしなんですよ…;) グダグダな部分も多いかと…;;
楽しんでいただけたら幸いです。
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| 変な二人にお題5 |
05.結局二人はどういう関係?
「コーヒー、あと、チョコレートパフェ。」
この間訪れたファミレス。
雪樺と、蓮、そして、今日は女の子が三人に増えている。
話が長くなるだろう、と踏んだ雪樺はコーヒーを注文する。
「で、なぁに?この間、ちゃんと説明したじゃない。」
今日もこの後デートの約束をしているので、蓮は機嫌が悪い。
「あれじゃ、納得出来ないじゃない!!そんな…っ恋人…とか言われても…!!」
一人が言うと、他の二人も頷く。
蓮は心底面倒臭そうに顔を顰める。
「蓮、そんな顔をするな。」
雪樺が注意すると、蓮は嬉しそうに振り向く。
まるで犬だな…。
雪樺は、口の端を上げて、笑う。
「雪樺が言うなら仕方ないわね…。で、なんなの?」
そう言う蓮は、やはり面倒くさそうだ。
「だからっ!!二人はどういう関係なの!?」
「はぁ……」
雪樺は、小さく溜息を吐いた。
NEXT
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| 変な二人にお題5 |
04.鉢合わせ
蓮は、席を立って、冷蔵庫から、ワインを出してきた。
「未成年の飲酒は法律で禁止されてます。」
上機嫌に、そう言って、ボトルを開ける。
「今、自分で言っただろ、お前。いいのか?飲んで。」
雪樺は、手渡されたワイングラスを回す。
「いいのよ。どうせ、店では飲んでるんだし。それに、これ、お客様からの貢物なのよねー。」
雪樺は、それを聞いて、溜息を漏らす。
「本当に、客が嫌いだな…。」
蓮は、ワインを飲みながら笑った。
「仕事、やめようかしらね。私と鉢合わせした時、雪樺も冷たいし。」
眉を寄せる、雪樺。
「そうか?」
「そうよ?私がお客様と歩いているのを見た日は、必ず機嫌が悪いもの。……あら?」
「どうした?」
蓮は雪樺の目を覗き込む。
「今日、機嫌いいわね。何かいいことでもあった?」
雪樺は微笑んで、蓮にキスを贈った。
「何も。疲れてるんだろう?もう寝ろ。」
そう言って、蓮を抱き上げる。
「ふふふ…やっぱり何かあったのね。」
寝室に着くと、そっとベッドに下ろされる。
「お姫様みたいだった……。」
言った蓮は、すでに寝息を立てていた。
雪樺は、小さく笑って、リビングに戻る。
「いいことあった?か…。」
雪樺は小さく声を立てて笑った。
「蓮は覚えていないだろうが…お前の客とやらを…殺してきたよ…。」
蓮の入れてくれたワインを飲み干す。
「まぁ…仕事はやめればいいさ…。」
NEXT 05.結局ふたりはどういう関係?
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| 変な二人にお題5 |
04.鉢合わせ
深夜、0時。
蓮の家に、一人の女が訪ねてきた。
「あぁ…いらっしゃい…。」
蓮は、微笑んで家に女を入れた。
「あのな…お前、客と一緒だっただろう?バレたらどうするんだ…。」
女は、着てきた重そうなロングコートをソファーの背に掛けて、ソファーに座った。
蓮は、その横に腰掛けて、足を組む。
「いいじゃない。恋人同士なんだし。それに、私のお客様達は、それぐらい、許してくれる人達ばかりよ。」
女は―雪樺は―フン…と鼻で笑った。
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打ってる途中で話が消えたんで、今日はここまでで勘弁してください。
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| 変な二人にお題5 |
03.鉢合わせ
都内の路地裏。
三人分の死体を踏みつける。
「はぁ……。」
溜息を漏らした雪樺は、独り、夜の街に消えた。
「最近、調子どうなんですか?お店の方にも…あんまり顔出してくださらないけど…。」
蓮は、夜の街を、中年の男と二人、腕を組んで歩いていた。
「うん…。仕事がね…なかなか上手くいかなくてね…はぁ……。」
これが、蓮の『仕事』。
『キャバクラ』で働いてる蓮は、もちろん年を誤魔化している。
「私でよろしければ…いつでも話聞きますからね? お客様の話を聞くのが、私の生き甲斐ですから…。」
そう言って、蓮は控えめに微笑む。
何が生き甲斐なんだか…そんなわけないじゃない…。
内心、こう思っている蓮も、仕事だと割り切って、男の相手をする。
蓮は店にいるのが嫌いだった。
だから、指名が入って、ある程度酒を飲ませば、すぐに外に連れ出す。
蓮との、限られた時間の中でのデート目当てで来る客も少なくない。
雪樺、今頃何やってるのかしらねー…。
仕事中も、考えるのは雪樺のことばかり。
蓮と、男が肩を並べて歩いていると、前からやたらと目立つ格好をした女が歩いてくる。
その姿を見て、蓮は喉で笑った。
そして、蓮と女はすれ違う。
「―――――――――。」
蓮は小さく言葉を発した。
それを聞いた女は、小さく笑った。
『今夜…家で待ってるわ…。』
蓮の、その言葉を聞いて。
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| 変な二人にお題5 |
02.仲が良いのか、悪いのか…
雪樺はシャワーを浴びて、蓮の部屋に向かう。
「蓮?」
蓮は救急箱を持って、待っていた。
「手当てするわよ。雪樺。」
笑っている。
まったく…私たちは、仲が良いのか、悪いのか…。
些細なことでの喧嘩が多すぎる。
「雪樺?」
蓮が不思議そうに、聞いてくる。
「あぁ。頼む。」
雪樺はとりあえず、一番傷の酷い右腕を出す。
「どうせ、誰かに追われたりしたんでしょ?」
蓮は手当てしながら言う。
「どうして解る…?」
雪樺は、少しだけ眉を寄せる。
蓮は笑って答える。
「なーんとなくよ。」
雪樺は、小さく苦笑いした。
本当に…仲が良いのか、悪いのか…
そして、蓮に言った。
「ありがとうな、蓮。」
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| 変な二人にお題5 |
02.仲が良いのか、悪いのか…
蓮は急いで、玄関まで行く。
そこには、傷だらけの雪樺がいた。
「蓮…?どうして泣いて…?」
蓮は涙を零しながら、雪樺に歩み寄った。
パシッ………
と、乾いた音が響いた。
「蓮!?何だ、いきなり…!!」
「バカッ!!こんな傷だらけで…ッ…家に入れてあげないわよっ!!」
そう言って奥に引っ込んでしまう蓮。
その場に立ち尽くす雪樺。
「もうっ…無事なら連絡の一つくらい…。」
蓮は、部屋で、ベッドに顔を伏せて泣いていた。
その時、携帯電話が鳴る。
「もしもし?」
蓮は涙声で、電話に出る。
『蓮?悪かった。心配かけたな。』
電話の相手は、雪樺だ。
「別にっ。私は怒ってるんだからね。」
謝ってくれたのは嬉しいが、なかなか素直になることが出来ない。
『解ってる。それより…私は帰っていいのか?』
「え?」
雪樺の唐突な問いに、蓮は問い返す。
『これでも急いで来たんだが、入れてもらえないなら、帰るしかないだろ?』
電話をしながら雪樺は、笑っているのだろう。
「ダメッ!!帰らないで。お風呂使っていいから、綺麗にしてから、こっちに来なさい。」
やはり可愛い言い方が出来ない。
それでも、雪樺はすぐに答える。
『了解。』
電話の先の雪樺は、やっぱり笑っているようだった。
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| 変な二人にお題5 |
02.仲が良いのか、悪いのか…
雪樺が殺し屋をしていることは、もちろん蓮だって知っている。
ある夏の日の夜。
「雪樺、遅いわねー。あの子が仕事で失敗するなんて無いと思うけど…。」
蓮は自分の家で、雪樺が来るのを待っていた。
今日は、雪樺と蓮が出会った記念日だから、お祝いしようと言っていたのに。
もう夜中の12時を過ぎている。
電話は、何度掛けても出ない。
いつもはプライベート用の携帯電話に掛ければ出るのに、出ないので仕事用の方にも掛けてみる。
1コール…2コール…3コール……出ない。
さすがの蓮も、心配になってくる。
「どうしたのかしら…?まさか、死んだ、なんてことは無いと思うけど…。」
不吉な考えが、少しだけ、頭に過ぎる。
「ない、ない!!雪樺だもん。それに私、雪樺のこと覚えてるし。」
記憶を消せるのだ。
雪樺自身の記憶が消えても可笑しくない。
不安を掻き消すように、テレビの電源を入れる。
すると、身元不明の女性の死体が見つかったと、ニュースが流れた。
雪樺が仕事で行った場所の近く。
黒くて長い髪と、薄い灰色の瞳を持つ二十代前後の女性の死体。
心臓が跳ね、呼吸が止まる。
雪樺…!!
心配しすぎて気がふれそう、と思ったとき、玄関の扉が開いた。
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| 変な二人にお題5 |
01.普通はそんなこと出来ません。
雪樺は、蓮の口元のクリームを舐めた。
目を見開く女の子が二人。
「雪樺…。キスは?」
蓮は薄く目を開いて雪樺を見る。
「はぁ…後で何を言われても知らないからな…。」
軽く溜息を吐いて口付ける。
言葉も出ない女の子達。
「甘い。」
唇を離した雪樺が言う。
「パフェ食べてたんだもの。甘いわよ。」
蓮は笑う。
「蓮って…同性愛者じゃないのよね……?」
女の子がもう一度聞く。
蓮は目を丸くして答える。
「何言ってるの?私たちに、体の関係なんてないわよ?」
キョトンとする彼女。
雪樺が説明を加える。
「蓮の中では、お友達とキスするのは…あたりまえ…?らしい。男相手なら、『友達』で通すらしいが、生憎私は女なんでな…『恋人』と言っているそうだ。」
「えと…普通はそんなこと…女の子同士でキスなんて出来ないと思うんですけど…。」
彼女は何か申し訳なさそうに言う。
「私もそう思うが…蓮だからな。仕方ないだろ。」
「ふぇ…?蓮だから…?」
相変わらず、パフェをつついていた蓮が話しに加わる。
「だって私、帰国子女だし。キスなんて、あいさつよ、あいさつ!!」
「は…はぁ…」
納得しきれていないような声が聞こえる。
「さ、雪樺。食べ終わったから行きましょ。」
蓮と雪樺は、ファミレスから消えた。
「普通、人前であんなことさせないだろ…。」
蓮に抗議してみるが、きっと意味は無い。
「あら?普通って?」
これだから蓮は……。
雪樺は思った。
自分も、この普通ではない蓮に影響されているんだろう…と。
そして、小さく呟いた。
「普通なら、そんなこと出来ないな…。」
NEXT 02.仲が良いのか、悪いのか… すいません!! ついにやらかしました!! もろGL路線ですねっ!! 安心して下さい!!蓮と雪樺はまだ清い関係ですからっ!! 蓮はなにやら慣れてる感じですが、清いですからっ!!
何やら蓮が攻めっぽいですが…。
こんな変な二人…続きます…
ごめんなさいっ!!すいませんっ!! 気のある方のみお付き合い下さい…。(もう是非なんて言えない…)
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| 変な二人にお題5 |
01普通はそんなこと出来ません。
「えぇっ!?蓮って、同性愛者っだったのっ!?」
彼女達のその反応に、やたら楽しそうに笑う蓮。
ケタケタ笑っていて、話にならないので、矛先はこちらに向く。
「雪樺さん、蓮って…そうなんですか…?て、ゆーか雪樺さんもっ!?」
今の流れでいけば、そう思われても仕方ないかもしれないが、間違いだけは、正しておく。
「蓮にはそういう趣味があるかもしれないが、私までそう思われるのは…な…。」
その発言で、蓮の笑いがピタッと止まる。
「蓮…?」
蓮は何やら思い詰めた表情をしている。
雪樺は咄嗟に『逃げ』の体勢になる。
「酷い、雪樺…。私のこと…ちゃんと好きよね…?」
蓮が涙目で見上げてくる。
「あ…あぁ?好き…?うん……。」
雪樺は目を泳がせる。
「そ、ならいいわ。じゃ、パフェ食べて、デート行きましょ?」
満面の笑みでパフェを食べる蓮。
口の端にクリームが付いている。
「蓮。クリーム付いてる。」
指摘すると、スプーンを持つ手を止めて、雪樺に向き直る。
「とって。」
そう言って目を閉じる蓮。
さっきのことに対しての嫌がらせか……。
「しょうがないな。」
雪樺は、蓮の口元のクリームを舐めた。
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| 変な二人にお題5 |
1.普通はそんなこと出来ません。
「はい。雪樺。あーんして?」
市内のファミレス。
「自分で食える。…蓮、人前で、恥ずかしくないのか?」
テーブルでパフェをつつく蓮、隣には雪樺、そして前の席には女の子が二人。
「全然。恥ずかしいって何?」
前の席に座っている女の子二人は、ものすごく気まずそうだ。
「もういい…」
雪樺はしょうがないので、蓮に従ってパフェを食べた。
「ねぇ…蓮…?」
二人のイチャイチャっぷりを見ていた女の子が口を開く。
「どうしたの??あ、はい。雪樺、食べて。」
彼女に返事をしながら、雪樺にパフェを勧める。
「あの…恋人を…見せてくれるんじゃなかったの…?」
彼女はおずおずと聞く。
「え?だから連れて来たじゃない。恋人。」
蓮は悪びれもせず答え、パフェを口に運ぶ。
その横で雪樺は小さく溜息を吐いた。
「雪樺も何か頼めばいいじゃない。美味しいわよ?」
二人の反応を気にもせず、楽しそうに喋る蓮。
ますます大きな溜息が口から漏れる。
「それで?恋人の雪樺が見れて満足??私たちこれからデートなのよね。」
あぁ…止めを刺した。
雪樺はもう、呆れて溜息も出ない。
当然、驚く彼女達。
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